夏休みの怪談
(99/08/18)

 ベタベタなタイトルですいません。しかしこれは実話なのです。

 これは私が体験しつづけてきた話です。そう、私が小学生だったとき。10年以上も昔になります。

 家にはごく普通の乗用車がありました。中古ではなく新車で購入したその車を親は大事に乗っていたようでした。
 しかし・・・その車に乗っていると、どこからともなく足音が聞こえてくるのです。 まるでぞうりを履いてゆっくりと歩いているかのような、じゃりっ・・・じゃりっ・・・という足音が。
 一定間隔で聞こえてくるその足音は、次第に大きくなるようにも思えました。


 この音は車のエンジンがかかっていようとなかろうと、静かであれば走行中であっても聞こえました。 そして驚くべきことに、この足音は必ず私の背後から聞こえてくるのです。 正面を向いて座っていれば車の後方から。後ろを向いて座っていると車の前方から。
 助手席に座っていても、後部座席に座っていても同じように聞こえる。
 そう、明らかに車自体が発している音ではない。


 足音が聞こえる、ということに気がついた時のことはもはや記憶にありません。 しかし、それに気がついてから、車に乗ったとき足音が聞こえてこないときはありませんでした。 窓を開けていようといなかろうと聞こえてくる。


 一体なんなのか?幻聴か、車の構造上の問題か、それとも・・・謎のままです。 他の車に乗ってもその音は聞こえてきませんでしたし、恐ろしくて家族に話したこともなかったので 家族があの音を聞いていたかどうかも謎のまま。 しかし、聞こえていたなら何らかの反応があってもおかしくはなかったでしょう。 それほどまでにはっきりと聞き取れる音だったのですから。


 やがて、月日がたち新しく車を買い換えて以来その足音を聞くこともなくなりました。 あれは何だったのでしょうか・・・。


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