横スクロールシューティングゲーム開発プロジェクト
ここはオリジナルの横シューを作ろうという意気込みだけが渦巻いているページです。
果たして、本当にゲームを完成させることが出来るのかどうか・・・。
シューティングゲームの研究
研究といってもたいしたことを書くわけじゃありませんが。
さて、まず手始めに最近のシューティングゲームの傾向について考えてみましょう。
昨今のシューティングといえば縦スクロール&ボンバーが全盛です。
そして、大量の弾幕の中を当たり判定の小さい自機でかいくぐる。
自機はゲームスタート時に選択する。ってとこでしょうか。
ボンバー。使用回数制限があり広範囲に高威力の攻撃を行う事が出来る。
敵弾を消す能力や自機を無敵にする能力を持っている場合もあり、緊急回避の目的で使われることが多い。
・・・だいたい、このようなシロモノですね。
昨今の縦シューには必ずといっていいほど装備されているシステムですが、
私はこれには少し否定的な見方をしています。
「ボンバーがあるんだからいくら攻撃を激しくしたっていいよね」という製作者側の甘えと、
「激しい攻撃はボンバーで楽勝だぜ」というプレイヤーの甘えを生みかねないものだからです。
前者のような事を考えながらゲームを作っているメーカーはないと信じたいですね。
後者の方は深刻です。このようなプレイスタイルを続けていても、一向に上達しません。
プレイヤーのスキルの上昇という観点から見れば、ボンバーは無用の長物なんです。
弾幕+小さい当たり判定というムーブメントは「首領蜂」あたりから始まったんでしょうか。
これは弾避けの爽快感を味わいやすくギャラリーウケもいいのですが、
度を越えると「こんなの真似できない」といってやめてしまう人が出てきてしまいます。
また、常に大量の弾幕に囲まれている、というワンパターンなゲーム展開になりがちです。
自機選択システムは、複数回プレイさせるための仕掛けとしては優れています。
が、あまりに自機の性能差がありすぎるとクリア不能になる場面が出てきてしまうかもしれません。
それを防ぐためには、性能差をつけすぎないとか、面構成をマイルドにするとか、
自機選択のメリットを殺すような調整をせざるを得ない。
これらを総じて考えると、ゲーム中はどうやって敵を破壊するか?攻撃を避けるか?という、
極めてシンプルな構図になっているのではないでしょうか。つまり原点回帰。
ほぼ全てのシューティングゲームがその方向に進んでいます。
これじゃあ飽きられるのも時間の問題でしょう。
もっとゲーム内容の多様化が望まれているはずだと思うのですが。
その場復活システムは個人的にかなり毛嫌いしてきました。
が、最近では「こういうのもアリかな」と思うようになってきました。
その場復活の最大の利点とはゲームの流れを切らないことです。
例えば、ボスと対戦中にミスした(死んだ)場合、最初からやり直しになるか、
そのまま継続して攻撃が続けられるか、という差があるわけです。
これはつまりボスの強さの上限に影響してきます。
その場復活タイプのほうが強いボスを登場させることが出来る。より耐久力が高く、より攻撃が多彩に。
それはすなわちボスとしての個性を持たせることにもなり得ます。
その場復活なら激しい攻撃を偶然で避ける、という局面を用意することも許されてしまうんですね。
戻り復活では偶然性に頼らざるを得ない局面は許されません。
つまり、難易度の枷をはずすことが容易であるってわけです。
戻り復活タイプのゲームで難易度を上げるには、バリア(もしくはそれに類するもの)が必須であり、
また、学習効果が有効となるようなゲームデザインをしなければなりません。
・・・とは言っても、ものには限度があります。
それを見極めた上で難易度調整をしなければとんでもないクソゲーにしかならないでしょう。
X68000オリジナル横シューティングゲームの研究
X68000には数多くのシューティングゲームが発表されてきました。
今、作ろうとしているのは横シューですから、その中でもX68000オリジナルの横シューについて研究してみましょう。
ファランクス
ZOOM
緻密な描きこみのなされたグラフィックと、センスのあるメカデザイン。
演出も凝っていて、ビジュアル的な面ではかなりのレベルにあると思います。ではゲームデザインの方はどうか?
自機はシールド制+残機。武装はメインウェポンとサブウェポンの二系統があります。
ウェポンは全て、アイテムを取得することによって使用可能になります。
また、アイテムの出現場所と種類は固定されています。
メインウェポンにはレーザー、波動砲、ホーミング、反射ボールがあり、
レベルアップアイテムを取得することで三段階に性能がアップします。
また、メインウェポンは特殊攻撃(=ボンバー)として使用することも出来ます(一度使用すると無くなる)。
ウェポンをストックしておくことが出来るので、ミスした時やボンバー使用直後でも丸腰になってしまうことはありません。
サブウェポンは弾数制限のあるミサイル系統の武器です。三種類あります。
メインとサブのショットは同一のボタンで発射されるため、弾数を残しておくことが出来ません。
よって、アイテムが出現したら即座にゲットする、というのが得策です。
有っても無くても大勢に影響は出ない程度の使い勝手しかありませんし。
メインウェポンはどれも今一つ威力に欠けます。波動砲だけは破壊力が飛びぬけており
ボス戦必須武器となっています。破壊力が低くなっているのはボンバーが存在しているためだと思いますが
ボンバーの性能と「現在使用中の武器を失う」「ストック可能数が少ない」というリスクを比較してみると
つりあわないのではないでしょうか。
また、武器の特性と敵・ステージ構成を付き合わせてみると武器の使い分けをあまり意識する必要が無く、
極端な話、波動砲だけあれば事足りてしまいます。
サブウェポンによってメインウェポンの弱さをカバーする、というのが本来あるべき姿なのでしょうけど
上にも書いたとおり弾数制限がネックです。弾数を確保しておこうと思ったら
メインウェポンすら撃てなくなる為、アイテムが出現したら取ってすぐ使いきるしかありません。
弾数制限はないほうがよかったのではないでしょうか。
敵・ステージ構成はいろいろな趣向を凝らしてあり面白いのですが、武器の攻撃特性を
活かせるようなものであったかと疑問です。
もっと「この武器だと有利だ」と思わせてくれるような場面を多く用意してほしかったところです。
このゲームにおいて最も重要と思われるのは巨大戦艦ステージとワープゾーンステージです。
巨大戦艦と言えば、R−TYPEで強烈なインパクトとともにデビューして以来、
数多くのゲームで取り上げられてきました。
ほとんどのゲームで巨大戦艦は自機を破壊するために登場するものですが、
ファランクスでは違います。自機から巨大戦艦に対しゲリラ的な攻撃をしかけるといったニュアンスが
色濃く感じられます。ここだけアクションゲーム的なステージ構成になっており、
縦横4画面分ぐらいの広さのマップに巨大戦艦が居座るというかたちです。
この画面の範囲内で自機を自由に移動させることが出来るので戦艦の任意の位置に接近することが出来ます。
逆に、戦艦と戦わずに逃げることも可能です。逃げたところでまったくの無意味ですが。
「シューティングゲームらしくない」と批判を受けましたが、試みとしては面白かったんじゃないかと思います。
練りこみは足りなかったですが。例えば時間制限を設けるとか、永パ防止キャラを出すとか、
緊迫感を持たせるフィーチャーが必要だったんじゃないですかね。
次にワープゾーン。これもアクションゲーム的と言えます。ステージがいくつかに分割されており
ステージ中に複数存在するワープゲートによってそれらが連結されています。
そして、正しいルートを見つけ出すことが出来ない限り永久にループしつづける、というのが特徴です。
これはさすがに誉められませんね。まずそれぞれのエリアに目立った違いが無く判別しにくい。
正解となるルートを発見するのにかなりの時間がかかる可能性がある。
そして全体的にこのステージは単調な内容ですから、すぐ飽きます。というわけで、かなりストレスが溜まりますね。
もっとエリア毎の特徴をつけるとか、完全な分岐だけにするとか、といった工夫があればよかったのかもしれませんね。
さて、この「戦艦」「ワープ」に共通して言えることは、
プレイヤーに能動的なアクションを要求される、ということです。基本的にシューティングゲームは受動的です。
画面は強制スクロールだし、出てきた敵を破壊するだけ。放っておいてもゲームは進行します。
これらはそれとはまったく異なるものです。シューティングゲームらしからぬゲーム性を擁している。
目先の違ったステージを用意しようという試みは、結果、シューティーングゲームの範疇を飛び越してしまうほどの
内容を盛りこむことになってしまい、逆効果となってしまった、ということなのでしょう。
ナイアス
エグザクト
非常にオーソドックスな作りのシューティングゲームです。二重ラスタースクロールや拡大縮小など
エフェクトに非常に力を注いでいます。が、メカニックデザインやカラーリングは今一歩か?
自機の兵装はバルカン(初期装備)、ワイド、レーザー、ホーミングの4種で、
ステージ中に配置してあるアイテムを取得することでそれぞれが使用可能になります。
また、持っている武器はいつでも好きな時に交換可能です。
パワーアップアイテムには他にも二発だけ攻撃を受け止めることが出来るシールドもあります。
これらのアイテムの出現位置や種類は完全に固定されています。
さらに、味方機が運んでくるオプションアイテムを取得することで4種類のオプションのうちのどれか一つを
任意に選んで装備することが出来ます。自機の動きをトレースするタイプや、自機の周りを回転するタイプなどがあります。
さて、基本兵装4種ですが性能差が明確につけられており、的確に使い分けることで攻略が容易になります。
常時選択可能であることの特徴を活かしたゲームデザインが成されているといえるでしょう。
ミスした際に、選択中の武器のみがなくなるため(バルカンだけはなくならないが)、
「この武器はあとで使うから、死んでも困らないように今は別の武器を使おう」といった戦略性も生まれています。
オプション4種は任意のタイミングで選択が出来ないためどれを選んでもそれなりに強力です。
が、やはり場面に合わせた使い分けをすることでさらに効果的な威力を発揮します。
ここまで見てきてわかるように、非常にオーソドックスなシステムではありますが
武器の使い分けが非常に楽しいゲームです。敵・マップもそれを活かすような仕掛けが多く用意されています。
しかし、このゲームには色々な欠点があります。まず基本的に地形ゲーだということ。
トラップさえ覚えていれば難易度は非常に低くなります。つまりトラップに対する恐怖感が無くなる。
イコール緊張感が無い、退屈、ということに繋がって行きます。
次に、配色について。個性的といえばいないこともないですが、やや背景が明るすぎ。
敵や弾の視認性が損なわれています。
最後に、目新しさがまったく見られないこと。まあ、全体的に見ればよく出来たゲームであると言えるんですが
「このゲームの特徴は?」と聞かれたときに答えにくいですよね。
ソル・フィース
ウルフチーム
自機の上と下の二ヵ所にあるアームに武器を装備することが出来ます。
ショットボタンを離したまま自機を移動させるとアームに装備した砲塔の角度が変化し、
ショットボタンを押している間は角度が固定されます。
これによって広角攻撃や前方集中攻撃などの戦略を自由に組み立てることが出来ます。
武器はレーザー、2WAYショット、ミサイルの三種類。少ないようにも見えますが
アーム*2+主砲の三ヵ所に別々の武器を装備できるためそれなりのバリエーションが存在します。
その他、自機を前に移動させたときに発生するバックファイアに攻撃力があったり、
地形に接触しても弾き飛ばされるだけでミスにならないとか、
ソフトウェアによるスプライト回転機能を多用しているなど、様々なアイデアを盛りこんでいます。
さて、アーム関係のシステムですが、アームの回転範囲が自機の上下60度くらいしかありません。
もっと可動範囲を広げてもよかったのではないかと思います。
敵やステージ特性と照らし合わせてみると、このシステムが無かったとしてもさほど困りませんし。
せっかくのアイデアを活かせる舞台が用意されていないと言えるでしょう。
それからこのゲームで最大の欠点といえるのが「地形に接触すると弾き飛ばされる」システムです。
まず、自機の地形に対する接触判定領域が比較的大きく取られており、あまり地形に近づくことが出来ません。
そして、弾き飛ばされて移動する距離が長めです。
狭い通路で一度地形に接触すると、延々と弾き飛ばされ続けた挙句、敵に衝突して死亡、
なんてことがままあります。
かなり狭い地形のマップなども多く用意されているため、
地形に接触しても死なないというだけなら非常にありがたかったのですが。
ボスキャラはどれも個性的で、ステージ6ボスの攻撃パターンの多彩さは一見の価値ありです。
しかし、道中の仕掛けはいやらしいものが多いですね。
自機に貼りついて移動速度を落させる敵(破壊&回避不能)にはちょっとストレスを感じました。
あと、常に自機の背後をつけまわす敵。後方に攻撃する手段がないのでかなりいやらしい。
(バックファイアの攻撃性能は信頼出来ません)
全体的にはよく出来ているが、アイデアを活かしきっていないゲームですね。
もう少し煮詰めてあればよかったかな。あと、地形接触で跳ね返らなきゃね・・・。
D Return
日コン連企画
敵を一定数破壊するとアイテムキャリアが出現し、それを破壊すると4種類のパワーボールのうちのどれか一つが出現します。
ボールの種類はMISSILE(武器のパワーアップ)、BONUS(得点)、RECOVER(シールド回復)、CAPACITY(シールド上限値アップ)
となっています。
武器はメインショットとミサイルの二系統で、メインショットはMISSILEアイテムを取ることで
段階的にパワーアップし、後方や斜め上、斜め下方向にも攻撃出来るようになります。
さて、このゲームのポイントは、
- シールド制+残機制であることを楯に取った激しすぎる攻撃
- 弾切れを起こしやすいメインショット
- 垂直同期を無視している
といったところでしょうか。さて、順番に見ていきましょう。
1番目ですが、このゲームの敵の攻撃は目で見て避けられるレベルを超えています。
しかし、自機の耐久力はかなり高く(8〜32発まで耐えることが出来る)
一、二発の弾を食らったところでたいした影響はありません。
つまり多少の敵弾なんかものともせずに全てを破壊する、
という力任せな(言いかえればおおざっぱな)ゲームデザインになっています。
悪いことではないと思いますけどね。
二番目に弾切れを起こしやすいという点について。このゲームでは最大8発まで自機の弾が
画面上に存在することが出来ます。
通常のゲームでは2,3発というのが限界なのでかなり多いということがわかります。
が、フルオート連射機能により、1ドットの隙間もなくショットが発射される上に、
弾速が遅いため、固い敵に密着した場合は、瞬時に多大なダメージを与えることが出来ますが
ザコを相手にしているとすぐに弾切れが起きてしまいます。
弾切れが起きやすいゲームの場合、画面右に貼りつく(横シューの場合)のが鉄則です。
しかし、それを許さないのがパワーボールの存在です。
アイテムキャリアを破壊すると出現するパワーボールは、出現位置から画面下方向に落下し、
地形にぶつかるとバウンドします。
地形の存在しないステージ3、4ではバウンドすることなく画面外に消えてしまいます。
また、パワーボールはバウンド前に取ることで、通常の2、3倍の効力を得られます。
つまり、なるべくバウンド前にパワーボールを取らなければならないのですが
画面右端に貼りついて出現即破壊をしていてはバウンド前に取ることはほぼ不可能。
右端貼り付き戦法は暗に否定されているというわけです。
3、垂直同期の無視。意外にも垂直同期を無視しているので、
画面内に存在する敵の数の多少によってゲームのテンポが変わってしまいます。
高クロックマシンでは当然、全体的に高速化してしまいます。このゲームが出た当時では
10MHzマシンしか存在していなかったし、クロックアップという考えもありませんでした。
だからこそ許されていたんでしょうね。
ゲームのテンポが変動してもさほどプレイ内容に影響がないというのはゲームデザインの勝利というべきか!?
このゲームをやる上で常に付きまとう問題は「弾切れ」です。
これはストレスを感じる原因になりかねないのですが、それをどう対処するか、
というのがこのゲームのゲーム性ですから、うまく付き合えれば魅力を感じることが出来るでしょう。
シナリオが投げかけるメッセージ性も、ありがちと言えばその通りですが、
無視は出来ないかな。
ちなみに、垂直同期を取って、弾速を速くした改造バージョンでプレイしたら
すさまじく簡単なゲームになってしまいました。
スコルピウス
B−TYPE/新声社
今は亡きゲーメストのライターの手によるオリジナルシューティングゲーム。
自機には蠍の尾のようなアームがついており、ボタン一つでアームを出し入れすることが出来ます。
アームを収納している時は自機から、アームを伸ばしているときはアームの先から
ショットを撃つことが出来、それぞれに別の武器を装備することが出来ます。
アームは、伸ばしている時はグラディウスのオプションのごとく自機をトレースして動く性質を持っているほか、
それ自体に攻撃判定と弾消し能力を有しています。この攻撃力が実はかなり高く、
いかに相手にアームを重ねるかが、ゲームのポイントになっています。
自機は3種類用意されており、ゲーム開始時に選択します。
これらの自機の性能の違いは、全部で6種類ある武器が、
本体とアームのどちらで使用可能になっているかという点と、武器アイテムの出現パターンです。
さて、上にも書いたようにこのゲームはアームを使いこなせるようにならないと非常に厳しい。
武器アイテムはいくつか存在しますが、サンダーレーザー以外はどれも装備してるだけマシといった程度の
性能しか持ち合わせていません。アームの役割が重要であると言いたいのはよくわかるのですが
もう少しショットの性能が高くても良かったのではないでしょうか。
ゲーム構成について。とにかく難易度が高く、ステージ6の難しさにはだれしも舌を巻くでしょう。
もちろん、その場復活という生易しいシステムなど採用してませんから、
実力を身につけなければ先に進むことは出来ません。
まぁ、このゲームを手に取るような人はそれなりにシューターとしての腕を持っている人でしょうから
これくらいでちょうどいいんじゃないでしょうか。
ただ、斬新なアイデアにあふれているかというと、首を傾げざるをえません。
アームの使いこなしに重点を置くあまりに、ショットの攻撃力が低く(サンダーレーザーを除く)
大量の敵をバリバリと破壊する爽快感が感じられません。一応、そういう場面も用意されてはいるのですが、
破壊時のエフェクト&SEが爽快感を満たしてくれるものになっていません。
また、自機を3種類から選べるとはいえ、「サンダーレーザーがどこで出現するか」以外に
これといった違いが見出せません。もっと機体毎の個性をだしてあってもよかったと思います。
全体として見るとなかなかに良く出来たゲームだと思うのですが、
あまり話題にはなりませんでしたね。目立った特徴を持っていなかったのが敗因でしょうか。
そう考えてみると、確かに色遣いは地味で演出にも派手さは無いよなぁ。